【講義】多項式の乗法

  • 正解率:100.00%
  • 解答数:3

EXAMPLE

例題

次の式を展開し,ア~オに当てはまる数を半角英数字で入力しなさい。

  1. \( (2x +1)(x +3) =\fbox{ア}x^2 +\fbox{イ}x +\fbox{ウ} \)
  2. \( (3x +5y)(2x -3y) =\fbox{エ}x^2 +xy -\fbox{オ}y^2 \)
ア:
イ:
ウ:
エ:
オ:

TEXT

テキスト解説

積の形で書かれた式を計算して単項式の和の形に書き表すこと(1つの多項式で表すこと)を,もとの式を展開するといいます。つまり,「かっこをはずしてバラバラにする」ことです。また,積の記号「\( \times \)」は,

\[ x \times y \longrightarrow x \cdot y \]

のように,記号「\( \cdot \)」を用いて省略して表すこともあります。

\( (a +b)(c +d) \)のような「\( \textbf{(多項式)} \times \textbf{(多項式)} \)」を展開するには,主に次のような2つの方法があります。

  1. まとまりを1つのものと考える
  2. かっこの中に含まれるすべての項を分配する

そこで,この2つの展開の方法で\( (a +b)(c +d) \)を展開してみます。

  1. 「\( a +b \)」または「\( c +d \)」をひとまとまりにして展開する。
    1. \( a +b=A \)とすると,
      \[ (a +b)(c +d) =A \times (c+d) \]
      という形に変形でき,こうすることで「\( \textbf{(単項式)} \times \textbf{(多項式)} \)」の形になります。そこで,分配法則を利用して,
      \[ A \times (c +d) =A \times c +A \times d \]
      となります。ここで,\( A \)を元に戻してあげると,
      \[ A \times c +A \times d =(a +b) \times c +(a +b) \times d \]
      となり,さらに「\( \textbf{(多項式)} \times \textbf{(単項式)} \)」という形が出てくるので,再度分配法則を用いて,
      \begin{align}
      (a +b) \times c +(a +b) \times d &=a \times c +b \times c +a \times d +b \times d \\
      &=ac +bc +ad +bd
      \end{align}
      となります。
    2. \( c +d =B \)とすると,
      \[ (a +b)(c +d) =(a +b) \times B \]
      という形に変形でき,こうすることで「\( \textbf{(多項式)} \times \textbf{(単項式)} \)」の形になります。よって,分配法則を利用して,
      \[ (a +b) \times B =a \times B +b \times B \]
      となります。ここで,\( B \)を元に戻してあげると,
      \[ a \times B +b \times B =a \times (c +d) +b \times (c +d) \]
      となり,「\( \textbf{(単項式)} \times \textbf{(多項式)} \)」という形が出てくるので,再度分配法則を用いて,
      \begin{align}
      a \times (c +d) +b \times (c +d) &=a \times c +a \times d +b \times c +b \times d \\
      &=ac +ad +bc +bd
      \end{align}
      となります。
  2. 1の結果から,結局

    のように,多項式の各項を順に分配して積を作り,その和を考えればよいことになります。これは,\( (a +b) \times (c +d) \)を
    \[ \textbf{たての長さ:}a +b, \ \ \ \ \ \textbf{横の長さ:}c +d \]
    である長方形の面積であると考えて,次の図のように長方形を4つに分割し,それぞれの長方形の面積の和が全体の面積になることから,
    \[ (a +b)(c +d) =ac +ad +bc +bd \]
    になるのだと考えると,イメージがしやすいと思います。

展開した計算結果は,降べきの順で整理するよう心がけてください。

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