【解説】
積の形で書かれた式を計算して,和の形の式に書き表すこと(1つの多項式で表すこと)をもとの式を展開するといいます。つまり,「かっこをはずしてバラバラにする」ことです。
(a+b)(c+d)のような「(多項式)×(多項式)」を展開するには,主に次のような2つの方法があります。
- まとまりを1つのものと考える
- かっこの中に含まれるすべての項を分配する
そこで,この2つの展開の方法で(a+b)(c+d)を展開してみます。
- a+bまたはc+dをひとまとまりにして展開する。
- a+b=Aとすると
(a+b)(c+d)=A×(c+d)
という形に変形でき,こうすることで「(単項式)×(多項式)」の形になります。そこで,分配法則を利用して
A×(c+d)=A×c+A×d
となります。ここで,Aを元に戻してあげると
A×c+A×d=(a+b)×c+(a+b)×d
となり,さらに「(多項式)×(単項式)」という形が出てくるので,再度分配法則を用いて
となります。 - c+d=Bとすると
(a+b)(c+d)=(a+b)×B
という形に変形でき,こうすることで「(多項式)×(単項式)」の形になります。よって,分配法則を利用して
(a+b)×B=a×B+b×B
となります。ここで,Bを元に戻してあげると
a×B+b×B=a×(c+d)+b×(c+d)
となり,「(単項式)×(多項式)」という形が出てくるので,再度分配法則を用いて
となります。 - 1の結果から,結局
のように,多項式の各項を順に分配して積を作り,その和を考えればよいことになります。これは,(a+b)×(c+d)を
たての長さ;a+b 横の長さ:c+d
である長方形の面積であると考えて,次の図のように長方形を4つに分割し,それぞれの長方形の面積の和が全体の面積になることから,
(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd
になるのだと考えると,イメージがしやすいと思います。

【例題】

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